一般財団法人日本地図センターでは、2002年から米国国立公文書館において、主に第二次世界大戦中に米軍が日本を撮影した航空写真の調査を行ってきました。
調査過程の中で、第二次世界大戦末期~1950年代における貴重な航空写真を約7000枚入手することができました。入手した写真には、日本全国の都市部を中心に撮影されており、 1945年(昭和20年)の東京大空襲の前後の写真や長崎原爆投下前後の写真、1947(昭和22)年のカスリーン台風や1959(昭和34)年の伊勢湾台風などが含まれています。
当センターでは、入手したこれらの膨大な写真の整理を進めており、印画焼き(プリント)および画像データの提供を行っております。詳しくはこちらから。
このたび公開した伊勢湾台風後の航空写真は、米軍が伊勢湾台風上陸2週間後(1959(昭和34)年10月8~9日)に撮影したものです。 当時の被災状況などを克明に記録しており、被害を拡大させた貯木場から流出した木材や堤防の決壊した状況などを確認することができます。
撮影された航空写真はフィルム管で収まっており、伊勢湾周辺(知多~名古屋~四日市)では443枚、三河湾周辺(衣浦港~一色~蒲郡西部)は245枚と膨大な枚数となります。これらの写真をコンピュータによる画像処理によって現在の地図と合うように設定し、広域な接合写真を作成しました。
都市化された現在と当時の被災状況をピンポイントで比較することができ、自分の住んでいる地域の潜在的な危険性を把握することにもつながります。
伊勢湾台風後の航空写真は閲覧のみを目的として提供されています。そのため、いかなる形態であっても、商用・非商用目的での利用、複製及び配布を行うことは禁じられています。
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